アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

記憶のすり替えと忘却について

人間は自分の都合の良いように記憶をすり替えることがある。

思い出したくない部分をうまく編集できる能力もある。

忘れたフリ…いや、無意識のうちかもしれないが
忘れることで前を向いて生きられる。

かつて味わった辛い経験も記憶のかなた。
今は幸せ。毎日充分幸せ。

でも、時々怖くなる。
この幸せは刹那的なもの。
幸せに慢心した途端足元から崩れ落ちる。

叔母がアルツハイマーの症状を見せはじめてからもう2年ほど経った。
その割には持ちこたえてくれていると思う。
一人暮らしできているのが有難い。

昨日の朝、久しぶりに電話で話したのだが
途中でヘルパーさんにかわってもらい、最近の様子をうかがった。
叔母さんが最近お金をあまり使っていないようだったので、そのあたりを尋ねたのである。

さて、その後のこと。
何度も叔母から着信があった。
留守電のメッセージには

「あんた私のお金をどうするって?なんの話?」

そんな内容のことが入っていた。

ん?なに?ヘルパーさん、なんて言ったんだろ?

訳がわからないときは申し訳ないがスルー(^_^;)

すると、今日。
姉からメールが。

「あんた叔母さんにお金あげるの?叔母さんが、なんかわからんけどトヨコがお金を振り込んでくれるみたいなんだけど?って叔母さん喜んでたよ!」

げーーーっ!なんじゃそりゃ!
そんなこと言ってないしT_T
どこからどんな話でそんなことになるのだ???

アルツハイマーなのに、きっとこういう話題だけは記憶から消えない気がする…
おそろしや。

アルツハイマーの叔母はさておき
約束や話したことを忘れられるのって寂しいね。
逆に、ささいな話でもきちんと覚えてくれてるときって
すごく嬉しい。

ナレーションの指導をするとき
前回話したことやその子の問題点を忘れてしまうことがある。
でも、指導された側はそれをキチッと覚えていて
それを克服しようと頑張ってる。
その頑張りに気付いてあげられなかったらかわいそう。
全員のこと、自分の話したこと、全部覚えていられるようにしてあげなきゃね。

そして、かつて自分も悩んだことに直面している子を見ると
なんとかしてあげたいなーと思う。
過去の自分の悩みや壁は、忘却してはいけない。すり替えてはいけない。

忘却した途端に成長が止まる。

お世話になっている俳優、南条さんの舞台。
ぜひご覧ください。

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裏
25年も続けられる舞台。
これに関しては前回を忘れ去った方が良いかも。
新鮮な気持ちで取り組むべきだから。

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