アルトの世界

ナレーションと語り*

MENU

裏声日記

終わりの美学〜うっかりBARは10年の歴史に幕を下ろします

2023年7月31日。

うっかりBARは10年の歴史に幕を下ろします。

いつもご来店ありがとうございます。
今月末で、うっかりBARは店を閉めます。

理由は大元のオーナーが変わったからです。

今年の年末まで営業しても構わないと新しいオーナーに言われましたが
2013年7月の最後の月曜日に、うっかりBARはオープンしましたので
ちょうどまる10年となる今月末7月31日月曜日をラスト営業にしようと思いました。

10年前。
元のオーナーに声をかけられて
曜日替わりBARの月曜日を担当することになりました。

仲の良かった仕事先の女性、それはそれは美人のお姉さん「やっちゃん」に
「とよちゃん手伝うからやろうよ」と後押しされたのです。

「店をやれば、週1回私たち会えるじゃない」

と、彼女は嬉しそうに言いました。

メインのオーナーは私だったので、私は自分を「キャプテン」と名乗り、やっちゃんは「副キャプ」となりました。

どう考えても私は「ママ」キャラではなかったですから(笑)

店は順調で、業界や飲み仲間たちが集まってくれました。

ところが
2人で店を始めて半年も経たないある日のこと
副キャプから泣きながら電話がありました。

明日は病院に行くと聞いていたので嫌な予感がありましたが
的中しました。。。

彼女が癌であることがわかったのです。

ステージ1bの子宮体癌。

全くの無症状でしたが、たまたま見つかってしまったのが運の尽きかもしれません。

ステージ1bといえばまだ初期段階。

本人も、手術すれば治ると、気を取り直していました。

一方、私はというと手術は反対でした。検査で見つかるまで健康に過ごしていたのに、あえて手術する必要があるのか?

しかし、決めるのは本人です。

結果、副キャプは手術を選択しました。

「しばらく会社も休める」と呑気なことを言っていました。

こうして、店は私1人でやらざるを得なくなりました。

「週1回会える」はずが、店で1人きり。

最初のお客様がいつ来るのか来ないのか、それを待つときの孤独感は辛く泣きそうになって
友達に連絡して「良かったら来てくれる?」とお願いしたこともありました。

時々お客様が大勢押し寄せて、1人では大変な日もありました。

「いない間バイトを誰かにお願いしようかな」

と私が言うと

彼女はすごく無邪気にこう言うのです。

「私の帰る場所がなくなるのは嫌だからバイトは頼まないでほしい」

この頃の私は

なんのためにやっている店なのか?

意味がわからなくなって、副キャプに対してもイライラしてくるのでした。

続きはこちら

写真はうっかりBARの目の前の大川の夜景です。

うっかりBAR閉店当日の様子はこちら

こちらの記事もぜひ

偶然自慢

人生を変えた人

2 Re:

  1. 松本 2023年7月11日 at 10:16

    10年お疲れ様でした。
    以前何度か伺っていたものですが、久々伺おうと思うのですが、
    だいたい何時から何時まで営業されていますか?

    Reply
    • toyobarko 2023年7月11日 at 10:19

      お問い合わせありがとうございます。
      17日はお休みです。
      24日と31日は18:30から22:30までの営業となります。
      昨夜は満席で立ち飲みに。
      フードもなかなかご用意できませんでした。
      色々ご了承いただき、事前予約をお勧めします(⌒-⌒; )

      Reply

コメントを書く