アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

孤独な子犬

私はやったことないのだが

例えば捨てられた子犬をかまって遊んだけど

家では飼えないからそこに残して帰ろうしたら付いて来て、、、

みたいなシーン、テレビかなにかで観たことある。

今日はそんなシーンを目の当たりにした。

しかも、相手は老婆だ。

父方の叔母がアルツハイマーになって何年経っただろうか。

それでもヘルパーさんの力を借りて一人暮らししていたのに、最近は衛生上の問題や、危険に結びつきそうな出来事があり

ケアマネの指導で施設に入れるべきとの進言を受けていた。

叔母は時々正気を取り戻すので、当然ここから出たくない!と言う。

親族会議は何度もした。

そして、とうとう、強制的に入所する選択をしたのだった。

今朝は早くに京都の叔母宅に行き、従兄弟が叔母を連れ出す間に引っ越し準備をする。

気配を察知した叔母の様子がわかり、もう冷や冷やしっぱなしであった。

引っ越し屋さんに運んでもらったあとは大阪の施設へ。

今度は叔母が来るまでに今までと同じ雰囲気に、いや、それより素敵に室内を仕上げる。

お洒落な叔母が快適に過ごせるように、なんとか少しでも。

そんなの、叔母にとっては嬉しくもないだろう。罪滅ぼしの気持ちでやってる私たちの偽善に他ならない。

果たして、、、

 

予想通り、叔母は興奮し、怒ったり泣いたりした。

ひどいことされて、惨めだと言った。

途方に暮れた。

それでも、時折冷静になって言う。

あんた達の言う通りにするわ。仕方がないものねぇ。

また叔母さんに会いにきてね!

明るく笑う。

泣きながら笑う叔母を見ると、もう辛くてたまらなくなる。

ずっとあのまま元気に一人暮らしして欲しかったのは私たちも同じだ。

従兄弟ともう一人の叔母が帰り

姉と私はもう少し残る。

さっきのやりとりの半分以上忘れてる。

それでもそろそろ帰る時間で立ち上がると

また来てねと見送りに来た。

そして、一緒について来るのだ。

ついて来たら部屋がわからなくなり、また一緒に部屋に戻る。

中に入れて「おやすみ」とドアを閉めるが、またついて来る。

最後は叔母さんを部屋に入れてドアを閉め

ダッシュでエレベーターに乗って降りた。棄てたんだ。

施設のスタッフさんに今の状況を説明し

ぺこぺこ頭下げながら帰った。

すごい脱力感で、運転も怖いほどだった。

いま、叔母はどうしてるだろうか。

色々な経験をして来た私だが、また罪をひとつ背負った気がする。

いずれ、叔母が施設に慣れて楽しく受け入れてくれることを祈るばかりだ。

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