アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

御供えは寿司で。

今日は副キャプこと、やっちゃんの命日だ。

やっちゃんは6年前の早朝、癌で死んでしまった。

彼女は私よりもお姉さんだったが、仕事で知り合ってから仲良くなり

8年前に私がうっかりBARをオープンする際

「私も手伝うからやろうよ」

と、後押ししてくれた。

2人で経営するつもりが、その年の秋には癌が発覚し、私は時々こっそり泣きながらBARカウンターに立って

彼女の復帰を祈った。

一緒にセカンドオピニオンにも立ち合い、励ましたが

癌発覚から1年半後の5月1日に死んでしまったのだった。

エンディングノートを託され

「結婚式の司会をとよちゃんに頼みたかったけれど、無理だからお葬式の司会をしてね」

と言われた。

身内でもないのに葬式の段取りに立ち合い、司会をして

弔辞まで読まされた日のことは忘れない。

あれから6年か。

今日は副キャプの彼氏や、仲の良かった人たちと、彼女の眠る一心寺にお参りした。

道すがら、Rちゃんが言った。

「下間さんの時には御供えは寿司ですね」

私が寿司愛を語っていたからだ。

なにかと言えば「寿司」

私はわかりやすいほど寿司が好きなのである。

そうよ!握り寿司でよろしくね。

「ちょっと生臭そうですね。」

でもさ、魚だもん。焼いたら良い匂いよ。でも、夏場にそのまま御供えするのはやばいわね。

「夏場なら鯖寿司にしておきます」

副キャプのときは「串カツ」を供えた。

癌で食べたいものが食べられなくなった中、串カツを食べたがっていたからだ。

病院の霊安室に、私が買って行った、松葉の串カツが供えられた。

その後も

彼女の命日には、みんなで彼女が好きだったものを食べて、供養に変えている。

串カツ、唐揚げ、寿司、ワインなどなど

しかし、今年は緊急事態宣言でお酒が飲めない。

すると、副キャプの元彼が

「やすこさんは結構パンケーキとかスイーツも好きでした」

確かに。

私はあまり付き合わなかったが、スイーツも好きで、紅茶が好きだった。

彼女が生前企画し、私に託された「偲ぶ会」では

ムレスナティーをみんなに配るよう頼まれていたほどだ。

私は副キャプの母とメッセージ入りの箱入りムレスナティーをたくさん買って

言われた通り「偲ぶ会」をBARで開催し、みんなに配ったのだった。

では、ぜひ今年はスイーツにしましょう!

お参りの後

パンケーキではないが、フレンチトーストと紅茶の美味しいカフェで彼女を偲んだ。

コロナでうっかりBARは休業状態。

それでも、私がBARをやめなかった理由のひとつは、副キャプへの弔いの思いがあるから。

めちゃくちゃ覚えやすい5月1日という命日に

今年も私は彼女のことをたくさん思い出す。

綺麗だよ。いつまでも。

 

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