アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

今日はわたしの最期の日

3月に耳ビジで朗読した若尾裕之さんの「新エンディングノート

この中で「未来デザインシート」という項目がある。

自分の死ぬ日を決めて、そこに向けての目標や、やりたいことなどを好きに書き込み実現させていく。

わたしは今年の9月30日を死ぬ日として設定した。

ふつうはもっと先を想定するようだが、わたしはあまり遠い未来のことを考えるのが苦手。

人生、明日なにが起こるかわからない。

ネガティブっぽいけど、現実はそうだから、短めの期限にしたかった。

「半年先くらいにしよう。そのとき生きてたらまた考えたら良いし」

そんな気持ちでイメージしたら9月30日が思い浮かんだ。

母の誕生日なのだ。

母は1月6日に死んだ。

そのとき涙は出たが、あまりにもショックすぎて、どう泣いて良いかさえわからなかった。

ところが、その年の9月30日。

たまたま語りの舞台があって、成功を収めた。

終わったあと、お客様からとても素敵なお花をいただいたのだが

そのとき、わたしがもらったのではなく、なんだか母の誕生日にもらったような気持ちになった。

その途端涙が溢れてきて、なぜ今日の舞台に母は居ないのか?という想いと

母はなぜ生まれてきたのか?

母の存在の尊さとか

色んな気持ちが相まって、結局、1人で大号泣した。

母が死んではじめて思い切り泣いた瞬間だった。

以来、9月30日はさらに特別な日になった。

それで、わたしの最期の日を9月30日にした。

未来デザインシートには、いくつかの夢を書き込んだ。

その後、エンディングノートを開いて見直すこともなく半年が過ぎた。

そろそろ9月30日が来るな。

どんな内容を書いてたんだっけ?

久しぶりに見てみると

夢のひとつに

「本田健さんとリアルLive」

と書いてある。

いつか実現すれば良いな、と思って書いたのだろうが

びっくりした。

今日、今夜、わたしは本田健さんのビジョンクエストというイベントにゲスト登壇し

朗読するのだ。

思い返してみる。

健さんに頼まれたのはいつだっけ?

あ!6月2日に大阪で赤羽さんとのオフ会をやって、健さん来てくれて、その2日後か3日後にお嬢さんのSTELLAさんと大阪のLive会場を見に行って日にちを決め

「都代子さんその日空いてる?」

と連絡があり出演が決まった。

それが9月30日。

だから未来デザインシートを書いたときにはまったく未定だったものが、ちゃんと実現し

しかもわたしの最期の日と重なったのだ。

すごい。

夕方から始まったビジョンクエスト。

健さんの講演とSTELLAさんのLiveがあり

夜。第3部にわたしは登場した。

朗読したのは「大富豪からの手紙」本田健著

「直感」「失敗」「運命」

直感を信じる。失敗を恐れない。運命は自分で選べる。

短い文章ではあるが、会場の皆さんの心に届くように大切に。

でも、いつも通りのわたしの朗読。

健さんの話と、STELLAさんの素晴らしい歌声で、すでに気持ちが昂っていた人は多かったと思う。

わたしが朗読し始めると

前の方の席の人が泣いている。

あちらでも涙を拭いている。

その後、健さんがアンケートを見せてくれたのだが

「一瞬にして世界が変わった」「朗読の域を超えてる」「運命の朗読が心の深いところに入ってきた」

など、ありがたい感想をいただいた。

こうして、わたしの最期の日は

誰かに少なからず貢献できた日となった。

今日でリセット。

また明日から新たな目標を持って少しずつでも上昇していきたいな。

なりたい自分。ありたい生き方。

母が生まれたからわたしが生まれた。

「将来、僕が死ぬ時、その頃1000万部とか売れてるかもしれない僕の本よりも、娘の歌声が多くの人々に届いていることのほうが誇らしいと思う」

健さんが最後に言った。

これが親子の絆なのだ。なんて美しいのだろう。

わたしも、母と、そして父と、そんな関係を築ければ良かったのに。

感謝と覚悟を持って。

今までお世話になりました。ありがとうございました。

2022年9月30日 最期の日に。

 




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