アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

春旅2023@大分・真玉海岸~ナンパ大作戦!~

「マテ貝」

いう貝を見たことありますか?

まさか貝とは思えない見た目が特徴ですが、旨みと甘みが美味しさの特徴です。

話は旅の初日に戻ります。

今回の旅の1番の目的は、日本の夕陽100選に選ばれている大分県の真玉海岸の夕陽を見に行くことだった。

ここは年に何回かだけ、日の入りの時刻と干潮の時刻が重なって、素晴らしい景色に出会えるスポット。

テレビで観たことがあり、かねてから一度行きたいと思っていたのだ。

そして、今回、春旅のタイミングに干潮が夕方に重なることがわかり

「映え写真を撮ろう!」

という意気込みで旅のスケジュールを決めた。

夕方、海岸に行くと、すでに引き潮が始まっていた。

これでも充分綺麗だけど、ここからが本番!

どんどん日が落ちて、夕陽が赤くなっていくはず。

そのタイミングで、みくみくと2人、夕陽をバックに撮影するのだ!

あ・・・・ちょっと待てよ。

撮影って、、、、誰が撮影するのだ?

実は、映え写真。

潮が引いてところどころに残る水たまりの向こう側に立ち、水たまりの手前側から撮影すると、逆光になって美しい、、、という撮影のコツが必要(^_^;)

セルフタイマーだと、水たまりの向こうに行くのに時間がかかって間に合わない。

遠隔シャッターだと、たぶん遠過ぎる。

どうしよう。誰かにシャッターを押してもらう、、、にしても、

あたりを見回してみる。

こんなに絶好の撮影環境なのに、海岸に人がほとんどいないではないか!

穴場が過ぎる(T . T)

さてと、、どうしようかな。

さきほど砂浜を歩いて撮影スポットを探っているとき目に入った1人の男性がいた。

なにか作業しているようすだったなぁ。

じゃあ、まずはあの人と仲良くなって、撮影に協力してもらおう( ̄∇ ̄)

こういう時だけ頭が回るわたし(笑)

そもそも、何をやっているのか気になるし。浅利が採れるのかな?

徐々に距離を詰めていき

「なにが採れるんですか?」

声をかけた。

これが運命の分かれ道。この瞬間から、私たちの春旅がスペシャル春旅にバージョンアップしていく!!!

はじまりはじまり〜

私がナンパ、もとい、声をかけたのは

柗嵜 典孝(まつざき のりたか)さん。

趣味でマテ貝を採っているという。

マテ貝は以前から知ってた。見た目は細い竹のようだが、実は貝。

けっこう美味しかったイメージがある。

「へぇ、こういうところで採れるんですね」

「こうやって採るんよ、見てみて」

すごく優しい口調で話してくださるので、まるで前からの知り合いのような気持ちになり

「どれどれ?」

私はその場にしゃがみ込んだ。

「ほら、穴がね、ここにいる」

食べたことはあっても、どのように生息するかは無知識だ。

穴に塩を入れて、待つこと10秒。すると

「わーーー出た!!!」

なんとチンアナゴのように、砂から顔を出したのだ。

「それを引っこ抜く」

「やりたいやりたい」

「やる?いいよ」

「なにこれ、ちょー楽しい!ねぇ、みくみくぅ、見て!」

ほぼ初めての漁業?体験(笑)

わぁわぁ言いながらマテ貝を採る。

そのうち柗嵜さんの素性がわかってきた。

小中学校の校長を歴任し、今は退任している。

書道家でもあり、大分県の書道の振興にご活躍の方でNPO法人大分県書写書道指導者連合会会長だった。

いかにも学校の元校長先生だったのがわかる、優しくて明るい人柄に触れて

声をかけてよかった!と心から思った。

「マテ貝持って帰る?すぐに死なないから、送って家で食べたら良いよ。」

「やった!そうしますー!」

なにしろ私は食いしん坊(笑)飛びついた。

「あ、砂抜きはね、ひと晩くらいしないとね」

「え?砂抜き?」

考えたら貝なのだから砂抜きが必要なのは当たり前だ。

砂抜きかぁ。。。

ここで、またまた春旅の大きなバージョンアップの瞬間到来!!!

「先生が塩抜きしておいてくれたら、明日取りにいきますけど(笑)」

「・・・・・。」

3秒ほど先生が固まった。

あら?だめかしら。

と思ったその時

「あなた・・・すごいねぇ!それが良いよ!そうしたら良い。昨日採って砂抜きしてるのがあるし、それを明日あげるから。おいで」

「わーい!やったーーー!」

「すごいなぁ、その発想なかったなぁ。すごいねあなた」

先生がしみじみ言ったので、みくみくがすかさず

「彼女は大阪人なので、、、すみません(笑)」

と、フォローしてくれた(笑)

NICEアイデアでしょう。それに、何よりもう一度先生にお会いできるのが嬉しいじゃないの。

先生のお家は海のすぐ近くらしい。

先生も嬉しそうに

「そのかわり、僕のアトリエも見てやってほしいなぁ」

と言った。

「もちろんです!作品も見せてください」

結果的には先生の作品の「実物」は見なかった。

先生の流儀として、アトリエには置いていなかったから。

雑誌に掲載された作品を見せてもらったが

先生の書は「人柄そのもの」まろやかに包み込む分厚い手のよう。

力強さはあっても荒々しいというより、どっしり構えて揺るぎない感じだった。

それが私の感想。

さて

翌日のお宅訪問は、さらに素晴らしいサプライズ&お土産が待っていた。

モノとしてのお土産もたくさんいただいたけれど

長年の指導経験の興味深いお話が聞けたのはサプライズであり収穫だった。

校長としてではなく、書道家。書道を教えるときの話を。

そして「考えること」の重要性を。

書道の先生らしい新鮮な角度から教えてもらった。

先生はSNSを一才やっていない。

電話一本だそうだ(笑)

お手紙を書くのは・・・気が引ける(;´д`)字が下手だからなぁ。

でも、いい格好する必要はなくて、そのままの私たちを受け入れてくれる大きなエネルギーを感じた。

書の印象そのままの。

先生の話はもっと書きたいけれど、これからまだ交流が続くという予感があるので今日はここまで。

さて

当初のわたしのよこしまな目的はと言うと・・・

夕陽をバックにしたツーショット写真を無事撮影できたのでした♡

みくみくが撮ってくれたステキな1枚はこちら。

先生のお宅でいただいた自然のめぐみ。

お庭になんでも植っていて、どれも無農薬。

虫さんも大好きな美味しい果物と野菜たち。

これらも全部自分で収穫させてもらった。

「あなたやりたいでしょ?(笑)」

先生に見抜かれてる!

鬱蒼とした庭。枝につつかれながら分け合って八朔をもぎ取る。

畑にしゃがんで、玉ねぎを引っこ抜く。

収穫祭!

ぜーーーんぶ、クール便で大阪へ送った。

もちろんマテ貝も。

マテ貝はバター炒めがお勧めだそう。

これが届いたマテ貝。まだ生きてる。

大分から帰っても旅のご馳走が続く。

何よりも、この素晴らしい出会いが、私たちにとって1番のお土産。

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