アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

このタイミング

稽古終わりで一杯飲みたくて
行きつけの店に向かった。

珍しくお客さんは2人だけ。

奥のお客さんと目が合った瞬間

「あ!!」

その人が言った。
若い女性である。

私も「あ」と思った。

あら?久しぶり。誰だっけ?会ったことあるよね。

「はい。あ!そうです。えーと、思い出します」

絶対会ったことあるけれど、いつかわからない。
この店で会った人?

「いえ、ここではなく。えーと、えーとあの…」

わたし、なんか変なことした?貴女に(^_^;)
大丈夫?

「はい、大丈夫です。しも…つま…さん?」

え!名前出るの?
なんだ?なんで知ってるんだ?

問い詰めて、わかった。
あのときの!

ボランティア関連のイベントで、ある方のアシスタント的に参加してた女の子。
でも。
雰囲気違う(笑)

なんか、変わったね^_^

「あの頃はイキってて(-_-)」

よく覚えててくれました!
聞けば、数年ぶりにこのあたりを通って、
たまたま思い出して1度来ただけのこの店に立ち寄ったとか。

そのタイミングで私もぶらり。

引き寄せ(笑)

「下間さんの他に覚えてる人が、あのイケメン風の…誰でしたっけ?」

ああ、Tさん?
お洒落っぽい…

「はい!なんとなく、お洒落風な…」

マスターが横から言った。

「ぜんぶ、?風って付くんですね(^_^;)」

「トータルが、なんとなくイケてて(笑)」

彼女が、当時、その人のことをカッコいいと言っていたのを思い出し
思わず吹き出した。

カッコいいと言われた側が、あのときどれだけ喜んでいたか(笑)

数年が経ち、なんだか大人になったその子に再会し、
あの頃、下間さん怖かった!などと言われつつ
笑いながら一緒に飲めて
こんな嬉しい話あるだろうか。

懐かしい話もしながら
マスター含めてゆっくり話せて
こんな気持ち良い帰り道。

すでにご縁が切れてしまった人と
また繋がる瞬間の、奇跡。

あのときも、今も、
私はずっと同じつもりだけれど
時間が色々な状況を変えるのだな。

街角で
人と人が出会う。別れる。また出会う。

ご縁

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