アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

挑戦すること

声とムード。
ナレーターにとって武器にはなるけれど、
それに頼ってしまうと、なんでもかんでも同じパターン・雰囲気になってしまう。

このままではいけない。

そう思って東京に飛び出したのが約10年前だ。

語りを学び、自分の声の芯の無さに気付き、言葉、文章をもっと理解して初めて表現できることを知った。

初めて舞台に立って語りを披露した日。
母が京都からわざわざ見に来てくれた。

親バカながら、とても良かったと褒めてくれて、
後に、その作品の文庫を読みたいというので貸してあげた。

その7ヶ月後、死んでしまった。

さて、その初舞台で読んだ作品にもう一度チャレンジしたいと思い
本を引っ張り出した。

蓬莱橋

コピーして、リライトする。リライトの場所も含めて、 あの時と今、どう捉え方が変わるのか。
自分でも興味深く向き合った。
作品の面白さ自体はずっと変わらない訳で、表現する側の状況によって、まるっきり違うものになる可能性がある。
技術的には上達していて当たり前ではあるけれど、
まだ駆け出しで、必死にやりきった、あの頃の新鮮な空気はないだろう。

さて、どうなることやら。
再演は、敢えてハードルが高いことを知っている。
でも、今はそれに挑みたい。
それにしても、こんな難しい作品、よくやったなあ(^_^;)新人の無謀さだ。

ところで、先日録音した旅もの。これはyoutubeでの配信用なのだが
公開されたのでご紹介。

旅の星

旅の星
というシリーズものです。

今回、私が訪れたのは「女人高野 宇陀・室生」←こちらをクリックしてくださいね。

この時のディレクターさんのリクエストには頭を抱えた。

「うまく読まないで欲しい」

声は鍛えてしまっているのでどうしてもプロの声になってしまう。
読み方も、少しでも感情を持って、表現しようとしてしまう。
加えて、素人さんにはできない「安定感」のある読みをしてしまう。

自分で言うのもなんだが、それができるからこそお仕事させてもらえてるのだ。

こんなかんじ?
こんなかんじ?

色々試しつつ、こんなかんじに収まった。

挑戦・・・

単純にもっと上を目指す、というだけではない。
あらゆるリクエストに対して工夫することが、引き出しを増やして、引いては高みに結びついて行く。

このような挑戦をさせていただき感謝。

次回は、もっとうまく読まないテクニックを身につけて挑戦したい。

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