パイセン
「風の噂に聞いたんだけど」
いやいやいや、風の噂になるほどの話じゃない(笑)
「うっかりBAR閉めるんか?」
先輩ナレーターが来店した。
噂を流した張本人はすぐにわかったが、こうして心配してかけつけてくれるのはありがたいことだ。
この先輩が来ると、カウンターは彼の独壇場となる。
なにしろ全国区で活躍しているし、どこで仕入れてくるのか?面白い話の宝庫なのだ。
ちょうど後輩ナレーターもいたので、仕事の話で盛り上がった。
今でこそ私も知ったような口をきけて指導者となっているが、先輩と知り合った頃はまだまだ未熟だった。
とくに芝居の取り組み方となると薄っぺらくて、テクニックも足りなかった。
もちろん今も発展途上なわけだが、しかしながら人生経験というのはそれなりに糧となる。
私たちが初めてご一緒したのは今から10年以上前、ある朗読劇?の舞台だった。
7-8人のキャストだったのだが、そのとき私に貴重なアドバイスをしてくれたのが彼だった。
「あなたの役の、人生背景を考えてみたら?」
なるほど。。。
私は自分の声のイメージばかり考えていて、役作りが薄っぺらかったのだ。
それまで「ためになるなぁ」という演技アドバイスをくれる先輩に出会っていなかったので、かなり嬉しかったのを覚えている。
それ以来、私はナレーションの表現などで本音の意見が欲しい時には、先輩に聞く。
「あの話、面白かったよな。いまやったらどんな風になるやろ」
先輩が言った。
「ほんとだね。やってみる?」
「いや、やっぱりめんどくさい笑」
今日は後輩に、いくつかアドバイスしたり、励ましたりした私たちだが
自分たちもあれから10年余りでどう変わり、いま、どんな表現をするだろう?
少しは成長しただろうか。
閉店時間になったが、まだ話し足りないと見えて、片付けしながらあれこれ仕事の話をしていた。
その片付けも終わり、店を閉めビルの表に出た。
明日も早いので「じゃあ!」と言いかけたら!!!!
「そういえば、この前、、、」
また新しい話題を振ってくるではないか(^_^;)
しかも、興味ありありの話だし。
そこから立ち話すること、、、30分以上(笑)
こんなことなら店で座って話せば良かった。
今日来てくれた後輩も言っていたが
「教えてくれる先輩はそんなにいないのでありがたい」
そうなのよね。
私にとっても先輩は貴重。
しかも、最近急激に心が広くなったみたい(笑)←ディスってる?
歳を重ねてまるくなった、とも言えるのか。
先輩が最近やったというアテレコ。
見てみてください。
ええ声です。こちら
さて
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