アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

噛んでも始まる!

う~ん
今年も楽しかった!

噛んだら終了2013!

噛んだら

これってかれこれ何年前から始まったんだっけ?

初めての開催の時は
そりゃあもう笑って笑って涙が出たくらいで。

翌年は私も出場させてもらって、面白くないことに(噛まない方が面白くない)優勝して
その後、ちょっと日程が合わなくてあまり見に行けてなかった。

今年、チャンピオンのシード権を使って再出場しないか?
と、言われたのだけど、幸いなことに(笑)仕事の予定があって辞退。
でも、ちょっと遅れて見に行くことができた。

年々進化しているし、平等になるよう工夫もされて
しかも長過ぎず、凝縮して楽しませるイベントに仕上がっていた。

MCも面白かった?

さて、
ナレーションというのは本来、噛まなきゃ良いというものではない。
それだけははっきりしておかねばならない。

でも、初見で読んだとき・・・
・・・例えばテレビやラジオのニュース速報なんて、下読み出来ずに読むことがしょっちゅうあるので
初見で読んだときに、正確に、意味を理解し、わかりやすくお伝えするためには
途中で噛んでしまうと、聞き手にとって意味が不明確になってしまうことがある。
ということは、なるべくなら噛まない方がいい、となる。

あと、早口が得意ならいい、ってことではないことも本当は大きなポイント。
滑舌良く、明瞭に話せるのはいい。
でも、早口は聞いている人を置いてけぼりにすることがままある。

早すぎず、遅すぎず、聞き手にわかりやすく。

ってことは、早口はあまりナレーターにとって必要な技術ではない。

でも、
このイベントはあくまでもお遊びの感覚を大事にしているので、
時には早口の技術も披露し、更に瞬時の読解力を見せて、それが勝敗を決める。
「さすがプロ」と言わせるものを見せてくれるのだ。

さて、私の優勝した当時は、まだ色々ルールも模索中で私は運が良かったので優勝したのだが
今日はほぼほぼ実力だった。

そういえば、
1度だけ審査委員長のジャッジにブーイングがあったのだが
私はそうは思わなかった。委員長、さすが、と思った。
多分、録音を再生してみたら、「あ、ほんとだ。間違ってる」とわかると思う。

そして、優勝者は素晴らしかった。

早口過ぎず、わかりやすく、言葉も明瞭、声もよく鍛えられている。

まさに知的。である。
そして、あ~これがしまりのある顔だ。単なる美人じゃない。←岡先生の影響受けまくり(笑)

ユーモアのセンスも持ち、気取らず、酔わず、
あ、わたし大絶賛(笑)

予選から勝ち上がってきた実力は伊達じゃなかった。

決勝の課題は、あえて文章に間違った表記をしておいて
その表記通りに読まないとNGという仕掛けがあった。

本来は、間違って書いてあっても正しく読める技術を持っている、のがプロのナレーターなのだが
今日に限っては「書いてあるとおりそのまま読む」を◎とする。

これはさすがに難しそうだった。
ナレーターは正直、予測しながら文章を読んでいるので
正しい言葉を口が勝手に発してしまうのだ。

これは今日のイベントとは関係ないが
噛むはずのないところで噛んでしまうことによって文章の不自然さに気づくこともある。
あれ?何で今噛んだんだろう?
そう思って、よくよく文章を読み直すと、主語と述語の関係がおかしかったり
「てにをは」の使い方が間違っていたりする。

噛まない文章は正しく美しく、リズム感ある良い文章であることが多いのだと思う。

文章を深く考えて読むと噛みやすい。
機械的に、無感情で読むと、口が目で見たままを発するので間違わない。

でも、それじゃー味気ない。
感情も入れて読んでこそのナレーター。

ってことで、やっぱり今日の優勝者は抜群だったのだ。

上手だと笑いは取れないけれど
観客の反応は「すごい!」と、感心している感じで、これが噛んだら終了の醍醐味だと思った。

もちろん、2秒で噛んだ面々の笑いがあってこそなのだが(笑)

初めて見たときのようなインパクトは無くなって来たが
主催者の工夫がそれをカバーしていて本当に良かった。

ふふふ。わたしって何様?
だけど、客観的に見て思ったことは正直に。

審査員のNさんが言った。

「ベテランもがんばれよ!」

そうそう。そうですね。
優勝しようがしまいが、こういう新人含めたパフォーマンスを通して
また心を新たにね。

これを踏まえて、また襟を正してナレーター業に挑む。

偉そうに言ったからには、良い仕事ができるように磨く。

遊びも、回り道も、ぜんぶひっくるめて、ナレーターとして活かす。

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