アルトの世界

ナレーションと語り*

MENU

裏声日記

耳ビジのお値段おいくらまんえん?

「耳ビジ★耳で読むビジネス書」をはじめて2年7ヶ月経った。

平日朝の2時間を著者インタビューと少々の朗読、リスナーさんとのコミュニケーション、自身の学びに生かしている。

アナウンサーとして、ナレーターとして経験していたこととはまったく違う世界を知り

本を通して様々なことを学び、成長させてもらっている。

こんな素晴らしい配信、誰がやってるの!?

わたしやーん(๑>◡<๑)(笑)

とまあ、自画自賛し、自分がいちばん得しているなぁと感じることがある。

耳ビジの価値は私にとってとても大きい。

「出演をお願いするにはいくらかかるのですか?」

たまにこんなことを尋ねられることがある。

著者さんはまず、そのように考えるらしい。

PRしてもらえる場には金銭が伴うことも多いのだ。

このようなお金を支払って、宣伝してもらう手法は「ステルスマーケティング」と言い

YouTuberなど影響力のある人は、依頼されて宣伝していることも多く、それで収入を得ている。

ただ、今年の10月からは「ステマ規制」という法律によって、今まで通りの宣伝活動はできなくなるそうだ。

さて、先ほどの、耳ビジへの質問。

「出演をお願いするにはいくらかかるのですか?」

答えは「無料」

ただし「1冊本をご提供ください」

これは私が1人きりで耳ビジをはじめた1冊目から自分に与えたルールだ。

《無料》

やるのもやらないのも自分の自由。そもそも、自分の初見朗読の練習のためのルームであり

聴いてくれる人がいたら嬉しいなぁ。がスタートだったから。

始めてみたところ、自分だけでなく、リスナーさんにも著者さんにもプラスになる一石三鳥な企画だと気づいた。

今も根本は自分のためにやっているので、無料は変わらない。

《1冊提供してもらう》

配信をはじめるからには継続することが大切だと最初からから思っていた。

著作権を考えると、著者本人の了解を得て朗読しないといけない。知らない著者に毎回連絡して、お願いして、本を購入して、、、?

想像しただけで「継続できない」とわかる。

しんどいことは私は続けられない。

それで、あえて「本の提供」という条件を受け入れてくれ、宣伝してくれるなら嬉しい、と考えてくれる著者さんを探すことにした。

お陰で、人のご紹介などもあり、気持ちよく本をご提供くださる著者さんが続いた。

とはいえ、最初はいつまでこれが続けられるかわからない状態で不安はあった。

一方で、実は私には密かな自信もあったことを告白する。

私の朗読をまずは少しでも聴いていただけたら「読んでもらって構わないですよ」とOKがもらえると思っていた。

「読んでほしい」とさえ思ってくれるのではないか?という自負もあった。

私はナレーションや朗読に全力を尽くして学び、経験を積んできたベテランだ。

一般の方はピンと来ないかもしれないが

「声」「ナレーション」「朗読」「進行」

これらすべて私の職業であり、これで稼いでいる人なのだ。

だから、朗読についても普段は当然有料であり、対価をもらって引き受けている。

一度朗読を聴いてさえもらえれば

「この人になら読んでもらっていい」と思ってもらえるかなと思った。

ただし、事前にきっちり下読みして、練習してしまったら「仕事レベル」の行為を無料でやることになる。

それは自分の本業を安売りすることになるのでやらない。

「下読み無し」「打ち合わせなし」

だから、無料。

このような考えでスタートしたのだった。

そして無事に、たまたま聴いてくださった著者さんから依頼されるようになり、ご紹介も増え

リスナーさんも定着していった。

これが今の耳ビジへと成長させてもらった経緯である。

私は2年7ヶ月経った今でもルールを変えることなく、耳ビジに出演してもらうときには無料。本の提供のみお願いしている。

以前、本の提供の話をしたところ、ある人に

「本を読ませてもらってるという気持ちがないのは傲慢だ」

と、言われた。

傲慢もなにも、耳ビジのシステムは最初からずっと同じ。

「本田健さんにも本の提供をお願いしているのか?」

とも言われた。

お願いせずとも送ってきてくれるのでこの質問については答えようが無いが、私は相手が誰でも平等に接するのを信念としているので

甚だ心外なことを言われてムッとなった。

私からお願いしたならまだしも、著者さんから、もしくは誰か仲介者からの依頼で出演することになったのに

「本は1冊ご提供いただいています」

これの何が傲慢なのかわからない。

繰り返しになるが、これが耳ビジのシステムなのだから相手が誰であろうが変わらない。

そんなルールを作っている下間都代子が傲慢だと思う人は耳ビジには合わないし、私とは相容れないので仕方ない。

ちなみに

プライベートでも親しくなった著者の友達も増えたので、自ら購入させてもらうこともあるにはあるが

これまで「耳ビジのために」購入した本は6冊だけ。

こちらから出演をお願いしたのは2冊。2人だけ。

《無料》《1冊ご提供ください》

長く続けたいからこそ、このシステムは変わらない。

今、毎月300円を部費として納め

耳ビジや下間都代子を支援してくれる人たちがいる。

私は素晴らしい著書をお借りして、本や著者の魅力を探り、リスナーさんに伝えている。

言わば橋渡し役だ。

自分の能力を卑下しないが、もちろん、本あっての耳ビジなので感謝している。

この2年7ヶ月で得た財産はおそらく、しょーもない金額を出演料として著者からいただくより数倍も価値があった。

《出演基準》

私に依頼するなら、ちょっとくらい耳ビジを聴きに来たら?と思う。

聴きもしないで、宣伝になるらしいからと助言を受けて連絡してくる著者さんがいるが、

引き受けたあと、出演の日が来るまでにちょっとくらい聴きにきてほしいものだ。

まったく聴いたことのないまま、当日を迎える人には高額の出演料をもらいたいくらい。

感じの悪い著者さんの応援をなぜ時間を使って私がしないといけないのか。

この我儘も、仕事なら許されないが

耳ビジは仕事ではないから言ってもいいでしょう?

正直言うと、まずはどんな内容か聴いた上で「耳ビジに出たい」と思ってもらえたなら、是非連絡していただきたい、と思う。

私は嫌いな人はほぼいないが

興味が湧かない人はいる(笑)

耳ビジはちっぽけなclubhouseの番組で、影響力なんてたかがしれてる。

その価値がおいくらまんえんと思うかは人それぞれ。

それでも、喜んでくれるリスナーさんと私とスタッフが築いたささやかな実績がある。

出演する著者さんは、少しだけ、そのことに想いを馳せて耳ビジに来ていただければ幸いだ。

つい最近、出演料を尋ねられたことと

著者さんに対して思うところがあったので書きました。

はー!すっかりした!

 

こちらの記事もぜひ

18番目のSDGs

恩送りの世界

コメントを書く