アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

叱咤激励

日頃はまあまあ穏やかなのだが、後輩育成となると話は変わる。

特に若い子達には飴と鞭の度合いが増す。

それは、本気で育てたいから。

「あなたたち、本当にこの仕事で食べていきたいと思ってるの?」

ごくたまだけれど、こんな厳しいことも言う。

バイトしながら、時々仕事ができたらそれで満足。みたいな人が結構多いのだ。

甘い!もっと必死にならなきゃ。

今日は20代の子達10人程のレッスンだった。

先月は良かったのに、今日は「なんじゃこりゃ」な人が数人いた。

これどういうこと?

伸びて伸びてどん伸び続けるならわかるが、戻ってどないするねん。

大体読める。

年末年始にサボったのだ。

まず、声がダメダメ。錆びまくってる。

「私の若い頃は」

こんな話はしたくないが、新人の頃、私は声を磨くために、維持するために、毎日一人でトレーニングしていた。

旅行先でも「ちょっとやらせて」と滑舌練習していた。

今、私のレッスン生が毎日ボイトレや音読を続けているが、彼女たちは素人だ。

プロを目指すあんたらがやらないでどうする?と思う。

それで、今日はちょっときつめに指導した。

結局、基礎力が全てなのだ。

声が出ないと色んな表現ができない。当たり前のことを理解していない。

そんな激アツレッスンの後は、素人さんの朗読レッスンだった。

素人さんではあるが、それこそボイトレはずっと続けていて、声はかなり安定してきた。

さらには朗読のお仕事の依頼を受けたそうだ。

素晴らしい!

しかし、お金をもらう=プロとなるわけで

そうなってくると、私の指導は上の人たちと同じになってくる。

今まではある程度許していた「かかり」の間違いや、助詞を上げる癖をいよいよいう時が来た。

「楽しく朗読」のレベルなのか「仕事」なのかで大違いになるわけだ。

仕事を舐めたらあかん。

それなりの「覚悟」でやらなきゃあね。

基礎がないと、いつか脆く崩れるよ。

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