アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

過程

1年半前から教えてる人の朗読会に行った。

今回は神社の社務所の中の一室。
去年はお寺だったけど、和室がお好きなのね(笑)

さて、去年もお寺での朗読会に彼女が出演し
本人の読み方よりもマイクの使い方が悪くて残念な結果だった。

今年はマイクなしだったのでそこに関しては心配せず
とにかくなるべくレッスン通りにやってもらえたらいいな、と思って見守っていた。

「レッスン通りにやる」

これがとても難しいのだ。
私もこれまで何度も経験あるのだが
必死に稽古を重ねて、これまでで一番聞いてくれる人から好評なのが最終稽古の1回前・・・
だったりする(~_~;)
本番は本番で、また緊張感と空気感が加わって、上積みがあるのだが
それには諸条件が必要で。

その諸条件の中で、自分の体調とか喉の調子なんてもんは自己管理の問題なのでさておいて
どうしようもないのが、会場の環境。お客さんの状況。

表現する側にとっても、お客さんにとってもベストな環境であり
お客さんの朗読を聞く態勢が同じ方向を向いている・・・って言ったらいいのかな?
簡単に言うと、映画館でもそうだけど、隣でポテトチップバリバリ食べられたら嫌なことある。
居眠りの寝息が聞こえたり、ガサガサ音立てられてはお客さん側が集中できない。

とまあ、諸条件がそろわない中で読んだり、演じるのはとても難しく
それでもレッスン通りの読みに近づけることができるのがプロの力なのだろうと思う。

さて、彼女の場合。
やはりレッスンの時の方が私としては良かったと思う。
作品の中身に集中できていなかったのか、間合いが妙だったり、メリハリに欠けたところがあったかな。

しかし、なにより残念だったのは
彼女の読みとは関係ない、環境面での問題だ。

朗読中に、その和室の外、廊下?となりの部屋?から男性の話し声や笑い声が何度も聞こえてくる。
遅刻してきた男性の大声、それに対応して会話する声が
朗読への集中を妨げる。
何故か「ピンポーン」という呼び鈴が鳴る。
遅刻してきたお客さんが、ふすまを開けて入ってきて、どかどかと読んでる最中に前の席の座布団を取りに来て、後ろに戻る。

これらの邪魔を思い切り受けながら彼女は読み続け
集まった客が我慢したのだ。

マナー知らずのお客さんが悪いのではない。
それを止められなかった運営サイドに問題がある。

由緒ある神社を特別にお借りした朗読会はとても貴重ではあるが
諸条件の中でとても大事な、出演する側にもお客さんにも大事な環境を確保できないのなら
それは「良い会場」ではない。

改善の余地あり。
運営側が配慮すればいいことだから。

そんなわけで、まだまだ安定した力を発揮できない彼女には厳しい環境になってしまったことが残念だ。
うるさくても邪魔が入ってもそれを感じさせない「読み」ができるくらいになれば良いのだけれど。

それに至るには、もっともっと訓練が必要だと思う。
レッスンするたびに少し出来が違う。。。というのはまだ行き当たりばったりな感じだから。
あと2か月繰り返せば安定するかもね(笑)

ところで、こうして一から教えて、一緒に学んできたので
これを機会にもうひとつ伸びしろを作りたいと思う。

私はレッスンのとき、多少は実演してみせることもあるのだが
あまり影響を受け過ぎてほしくないので控えることにしている。
でも、本番が終わったいま、わたしならどう読むか?あの人ならどう表現するか?を
彼女に見てもらって、引出しを増やせないものか。

今回、私以外にもアドバイスに加わったあるナレーターさんや、
今日、見に来てくれたナレーター。そのほか希望する人がいたら
同じ作品に取り組んでもらい、それぞれの表現を見せてもらえないだろうか。と。
本番が終わったらOK!では、ちょっと足りない。

これからに向けて、もっと伸びるためにも。

朗読会のあと、業界ではない友人も一緒に、今日の感想を真面目に言い合った。
いつもならしょーもない話題で笑うメンバーなのだが
こんなにも熱くなってしまったのは私のせいか?(笑)

教えてる人が出てると、ほんと責任感じるね(-_-;)
あー、うちの師匠もこうやっていろんな気持ちで見守ってくれていたんだなあ。
ありがたや・・・

骨までバッサバッサとぶった切るチキンを食べました(笑)

ちょきちょきチキン

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