無心
「どうしたら相手に伝わる声になるんかな?」
ある男性に聞かれた。
ん?声はあんまり関係無いと思うよぉー。
そう言うと、彼はずいぶん驚いたようだった。
ナレーターにとって1番大切なのは「声」だと思っていたようだ。
もちろん声も大切だけれど、それは結果論であって
「聞いてる人にしっかり伝えるためにはどうしたら良いか?」
そのためには、早口ではなく、小声でもなく、はっきりとした滑舌で、できれば方言よりも共通語の方が良くて、ついでにいい声なら気持ち良く聞ける。
のである。
だから、相手の立場に立って話してあげたり
ナレーションしてあげたりすることが大切。
でも、それは人間同士のコミュニケーションとして何事にも当てはまる。
お客さんが喜ぶ料理を出したり、気にいる商品を揃えたり、快適な空間を作ってあげたり
話す仕事も同じなのだ。
そんな話をしたら、一杯ご馳走になってしまった。やったー(笑)
さて、その人との会話の中で
料理をすることの楽しさについて意見が一致した。
誰かが喜んでくれるかも?とおもいながら無心に料理に勤しむ時間は
義務でなくて、楽しいひととき。
手間暇かけて、その割には喜ばれなかったら
長く続けられない。
なので、わたしは細く長く続けられるよう
比較的簡単に、でも美味しいと思ってもらえる料理をすることにしている。
と、言いながら、今日少しばかり時間をかけた一品を作った。
この前奈良に行って買ってきた立派な栗を使って栗ご飯。
なにしろ栗を剥くのが大変(´Д` )
ネットで見た「あっという間に簡単に栗が剥ける」という方法を試したが
渋皮が綺麗に取れず、結局、包丁で剥いて、
腱鞘炎になりかけた上、親指をグサリと刺してしまった(笑)
「やっぱり、料理しながら、おいしくなーれ!って言うのが1番ですね」
先ほどの彼が真面目に言ったのを思い出した。
単なる栗ご飯だけど
お米を研ぐときも、酒や出汁、塩で味付けするときも
美味しく仕上がるぞー!きっと美味しいぞー!
そんなことを心の中で思っていた気がする。
私はあまり栗ご飯が好きではないのだが(思いつきで買ってしまったので作っただけ)
出来上がった栗ご飯の「ご飯部分」の塩加減がなかなか良く
密かに、栗を避けて食べた(笑)
それにしても、相手の気持ちを思い遣る、的な発言を偉そうにしているが
現実は相手の気持ちをないがしろにすることの方が多い(・∀・)
のは、ご愛嬌ということで…ちゃんちゃん。
コメントを書く