アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

通ってきた道

マンツーマンで指導している子が数人いるのだが

みんなそれぞれ必死に頑張っている。

仕事しながら頑張っている。

私は幸いデビュー当初からレギュラーの仕事がもらえたので、アルバイトはせずに済んでいるのだが

それでも同じような境遇の仲間たちをいっぱい見ているので、その両立の難しさはわかる。

個人レッスンというのは、技術を指導するだけでなく、相談相手になったり、話の聞き役になったりすることもある。

今日も久しぶりにレッスン申し込みがきた生徒さん。仕事のことで困っているようだ。

私はマンツーマン指導の際、あくまでも受け身で、生徒さんから連絡があれば予定を見て受け入れる。少しでも早く会って話を聞いてあげたいが、うまく予定が合わず申し訳ない気持ちになった。

先日もやはり久しぶりにレッスン申し込みがあった人は、今指導している中で唯一の既にプロとして働いている人。

しかし、もっと上達したいという思いから門を叩いてくれた。

ただ、プロとして活動している人は、それはそれで悩ましいことがある。

指導されたことを取り入れると、これまでの読み方がギクシャクしてしまうことがあるのだ。

即取り入れようとしても上手くいかない。

かつて私も師匠に学んだときに陥った。

ひとつの癖を直すと違うアラが目立つ。それが、まるで師匠に違う癖をつけられたような錯覚に陥る。

いやいや違う。師匠が求めている読み方は、そのアラもないはず。

というのを後々気づいたが、仕事現場で

「上手くなった」

という声がある一方

「なんか前の方がいい」

なんて言われてショックを受けたことも。

さて、先日指導したそのプロの子は上手く取り入れてくれて、その日、レッスン後に行った仕事でさっそく上手く応用できた旨の報告があってひと安心した。

いい年になると、そこそこ経験を積んで、若い人たちの悩みがよくわかる。

解決策は必ずしも私の場合と一緒ではないが、多少力になれるかな。

養成所でも教えているが、複数の人相手だとじっくり話せないのでもどかしい。

近く、新しく某プロダクションの育成にも携わることになった。

ナレーターの養成ではないので、私も手探りになりそう。

まだまだプレイヤーとして頑張るけれど、こうして指導する側のご依頼が増えるのも有り難いことだな、と思う。

昨日、ナレ友からいただいた御守り。

ここに願いごとにかかわるものを入れて持ち歩くんだって。

何を入れたら良いのかなぁ。

願い事、書こうかな。私にもまだ夢や目標がある(笑)

しかし、有り難いなぁと思うのは、そのナレ友。

私もそうなのだが、張り合ったり、妬んだり、そういう考えがないから

「これ見つけたとき、すぐ下間ちゃんにあげなきゃ!と思ってん」

だって。

キャパの大きさ半端ない。気持ち良い。

せっかく彼女がくれたんだもの。効果を得なくちゃね。

若い頃はライバル心も旺盛でハングリー精神も必要かなと思うけど(もともとあまり無かったが)

他者を認めて、良さを学ぶ方がいいと思う。

これもまた通ってきた道で知ったことかな。

風が気持ちよいのか、ベランダで過ごすサンマとサワラ。

仲良くて和んだ。

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