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裏声日記

岩手災害ボランティア 12月2日 はじめに~臼澤さんのお話

今回の一番の目的だったのが
大槌町の仮設住宅で活動する「まごころ*花 プロジェクト」の現場訪問である。

まごころ*花 プロジェクト

関東在住の雑貨アーティストやイラストレーターが素材を提供し
仮設住宅で暮らす女性たちが作り上げる「シュシュ・ブローチ・ヘアゴム」
500円のうち、作った被災者に300円入る生活支援のひとつ。

実は、このプロジェクトの中心人物、森祐子さんは
私が5月に活動した際、ブログで紹介したレポートを読んで、連絡をくださって知り合った方で
森さんの職業を生かせる活動があるから東京報告会に参加してみたら?と背中を押した経緯があるのだ。

実際に行動を起こした森さんが、今や、大槌の花っこ隊(活動しているみなさん)の先生である。

人と人とが繋がって、何かが始まるということを強く意識するきっかけとなった・・・・

大槌町の仮設住宅には、仮設のとりまとめをなさっていて、遠野まごころネットの副代表にも就任した臼澤良一さんにご案内いただいた。

臼澤さんは、テレビでも何度も取材されている方で、
私は大槌までの1時間余り、じっくりお話しを聞かせて頂くことが出来た。

臼澤さんが今いちばん力を入れているのが冬場でも皆が集まれる「まごころ広場」の設置だ。
いま、仮設住宅には集会所というものがあるのだが、ここはあくまでも事前に借りる予約をして、鍵をもらって、入る・・・という場所。

本当のコミュニティというのはそうであってはならないのだ、と臼澤さんはおっしゃる。

「立派でなくても良いんです。いつでも誰かしらがいて、なんとなく足を運べる気軽な場所が必要なんです」

臼澤さん自身も被災者だけれど、家族みな命が助かった身で、
周りの大変な状況にある方を前に、申し訳ないような気持ちに苛まれたこともあったとか。
できることをやろう、そう思って動いているうちに、取材されるようになって
「すごいですね、なんて言われても何がなんだか。当たり前のことをしてるだけなのに」

2100世帯余りが暮らす仮設住宅。
それぞれが全く違う苦悩を抱えている。
人は一人では生きていけないということを、震災をきっかけに強く感じたという臼澤さん。

ボランティアに対して
「苦しみを分かち合おうという気持ちさえあればそれで有り難いのです。その姿を見ているだけで嬉しいのです」
と、おっしゃる。

私自身、非力な自分がたまらなく残念であったけれど、
もしかして出来ることがあるかもしれない。そう思わせてくれる言葉だった。

キューブハウスのまごころ広場は12/20頃オープンするそうだ。
ちなみに、この設置は行政に頼んだのではなく、臼澤さんがNPOに呼びかけ(まごころネットもそのひとつ)実現するものである。

初日

それに先駆けて12/10(予定)には、同じくキューブハウスのお弁当屋さんやコロッケ屋さん、お好み焼き屋さんも出来る。

ところで、
ナレーターとしての私にとって、心に響いた話がある。

「宮澤賢治の雨にも負けずが今の自分の気持ちにピッタリで・・・
     以前は単に文字面を読んでいただけだったのが
        今はその行間に隠された想いを読みとることができるようになったんですよ」

これは私たち語り手の一番必要な部分であり、一番難しい部分でもあり、
そこを読みとることで、実際に語るときに、生きた間を取ることができるのだ。
その間で、聞き手に何を感じてもらえるか?
その間から、聞き手が何を感じるのか?

自分が分かっていなければ、聞いてる側にも伝わらない。ということ。
でも、行間を読み取るにはそれなりの人生経験とうーん、あとは、深い思慮が必要か?

「雨ニモマケズ」

雨ニモマケズ

風ニモマケズ

雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ

丈夫ナカラダヲモチ

慾ハナク

決シテ瞋ラズ

イツモシヅカニワラツテヰル

一日ニ玄米四合ト

味噌ト少シノ野菜ヲタベ

アラユルコトヲ

ジブンヲカンジヨウニ入レズニ

ヨクミキキシワカリ

ソシテワスレズ

野原ノ松ノ林ノ陰ノ

小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ

東ニ病気ノコドモアレバ

行ツテ看病シテヤリ

西ニツカレタ母アレバ

行ツテソノ稲ノ束ヲ負ヒ

南ニ死ニサウナ人アレバ

行ツテコハガラナクテモイヽトイヒ

北ニケンクワヤソシヨウガアレバ

ツマラナイカラヤメロトイヒ

ヒデリノトキハナミダヲナガシ

サムサノナツハオロオロアルキ

ミンナニデクノボウトヨバレ

ホメラレモセズ

クニモサレズ

サウイフモノニ

ワタシハ

ナリタイ

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