アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

贈り物

私は中学校まで鎌倉に住んでいた。

海の見える丘の中腹。

2階の窓を開けて、飽きもせずに山々や海を眺めて
鳶を観察していたりした。

自然児だったのだ。

さて、
ご近所には大きなお屋敷が多かったのだが
1軒だけ、とても小さなお宅があって
そこは
やっぱり小さなご夫婦がひっそり暮らしていた。

青山さんという。

青山さんは子供がいなかったので、いつも私たち姉妹を可愛がってくれた。
ご主人はシェフをしていらして
毎年クリスマスには、ご主人の作ったターキーの丸焼きをプレゼントしてくれた。

私が小学校の低学年のとき、青山さんは引っ越した。

すごく遠くではなかったけれど
たまにしか会えない。

母親と二人で青山さんのお宅に遊びに行くと
私はなんとなく安心して、こたつの中でグウグウ眠ってしまうのだった。

でも、青山さんが困っていたことがある。

私が、そのこたつの布団の端っこ、三角にとがった部分を、いつも鼻の中に入れて眠るため
角がカピカピになることだ。

妙な癖なのだが、鼻の中に何かを入れていると安心したのだ。
小さい頃、私の布団の端っこは、基本的にカピカピに固まっていたのだった(笑)

ちなみ、今、その癖はすっかり治っているのでご安心を。

その後、私たちが京都へ引っ越し、青山さんもまた東京へ引っ越し、だんだん年に一度のはがきのやり取りだけ。
疎遠になっていった。

母親が死んだときには久しぶりに手紙を書いて、
本当にあたたかいご返事をいただいた。

その後、青山さんもご主人を亡くし、今は一人暮らししている。

御年90歳。

で、その青山さんが、突然、お菓子を送ってきてくださった。

贈り物

「とよこさんへ」

なんだろう。
この感動は。

大人になってから会ってない私を
どんな風に想像しながら送ってくださったのだろう。

久しぶりに会いたいような。
でも、このままでいいような。

鎌倉の想い出が少しずつ薄れていくのがさびしい。

今夜は久しぶりに家飲み。
シーフードのトマトソースパスタ。

パスタ

赤ワインをボトル2/3空けてしまった。

食べ過ぎで苦しいよお。。。

あすは14時からクレオ大阪中央で災害ボランティア報告会です。
当日参加もOKです。

まじめにやろう。

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