アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

○○な女

  」

録音が終わった後、プロデューサーの女性にそう言われた。

さらに

「下間さんは何をお願いしても、とりあえずやってみます、って試してくれますよね」

そういえばそうだっけ?
他人に言われないとよくわからんが、
私のノリの軽さはかなり無責任であり、
出来るかどうか自分でもまったくわからないので、とにかくやってみますのでご判断ください。
という考えのもと、発言しているのだと思う( ̄∀ ̄)

でも、こんな対応が、今回は良い方向に行ったようだ。←たまたまか?

正直なところ、私なんかに(私なんか・・・という後ろ向きな言葉は使うなと昔、先生に言われたけれど)
私なんかにできないかもしれない、と思った。
でも、滅多に経験出来無い面白い仕事だし、
駄目なら駄目でほかの人に代わるだろうし・・・ま、やってみよっと。

そんな気持ちで乗り込んだ。

7月に富山県にオープンする「高志の国(こしのくに)文学館」の万葉歌コーナーの収録。

和歌を詠むのはこれまでも仕事で何度も経験しており、私自身とても好きなのだが、
今回のリクエストはまったく違った。

「詠む」のではなく、「歌う」という仕事だったのだ。

しかも節回しはすべて私任せ。
11首それぞれメロディーを変えて歌ってくれという(°□°;)

まじで?!
私は歌手じゃないんですけど~

でも、ここで冒頭の言葉が出てくるのだ。

ナレーターさんだと重々承知で、でも、どんなリクエストにも動じず試してみてくれる人だと思った。

どうもありがとうございます。。。

万葉研究の第一人者、中西先生に、ひとつひとつ歌の情景を教えてもらい、
それを聞いた上で、私が勝手にメロディーをつけて歌う。
思いつきだから、もう一度同じように歌えと言われてもなかなかできない(笑)

雄大な山を思い浮かべて・・・
真っ赤に染まる水面を見ながら・・・

ひとつひとつの歌を勝手気ままに作っていく。
「そこはつなげてみて」
「最後はゆっくり」

そんなリクエストを受けて、さっきとはメロディーが変わってしまう部分もあるけれど、もう一度歌う。

こんなんでいいのかな?

「ばっちりです!」
意外や意外、OKが出た。

こうして11首。とりあえず、無事終わった。

万葉の録音

もっと色々表現できたら良いのだけれど
今日のところは私の精一杯だ。
でも・・・
「精一杯」の仕事ができるなんて、そうそうあるもんじゃないよね。

満足感とかではなく、出来ることを一生懸命やる時間をいただけたことが心から有難い。

今も頭の中をぐるぐると万葉の歌の節が回っている。
目を閉じるとぐるぐる回る。

夢の中で万葉の世界にタイムスリップできたら良いのにね。

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