舌が覚えている。
かれこれ10年くらい前になるのだが
レギュラーの仕事の途中で、よく行っていたランチの店があった。
定食レベルのお値段なのに
とても凝った料理で、美味しくて、大好きだった。
その料理を作っている人が、お店を出すため、そのお店を引退すると聞いて
ずいぶん残念に思ったものだ。
お店を出す場所は、なんとなくわかっていたのだが
そこを訪ねる機会なく、月日は過ぎた。
さて、
最近になって、
仕事でも俳句でもお世話になっている男性が
よく行くお気に入りのフレンチがあると聞いたとき
もしや?と思った。
個性が。
私の舌の記憶と合致したのだ。
そして、今夜、その方に連れて行ってもらったお店。
「もしかして、あそこでお店やってませんでした?」
「それ、わたしです」
やっぱり!!!!
今日も、お任せで出してもらった料理をいただきながら
似てる。似てる。と思っていた。
勇気を出して聞いてみたら、やっぱりそう。
うれしい!
「懐かしい方にきてもらったので」
と、あちらもそれなりにうれしかったようで
サービスのお酒も出していいただいた。
ほんとうに美味しいこのビストロ。
またこれからリピーターになろうっと。
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