アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

諦めるなと帆立が言った。

恐ろしく大変な一日だった。

震災からまる二年を迎えようとしている今日。
関西での被災地応援の気持ちを込めて開催した「3.11fromKANSAI ~一歩、また一歩」

しかし、自然のちからというのは、人間にはどうしようもないことで。
改めて思う。

ここ一週間、あたたくいい天気が続いていたのに、
なぜに今日に限って???

朝のうちはなんとかうっすら日も出て
まずまずの天気。
午後に弱い雨が降るという予報だった。

ところが、昼前から激しい突風が吹き荒れる。

出店している各ブースも、風に飛ばされそう!

そして・・・来たのだ。彼女の出番が。
ヒーローショーの時間が。

釜石のラグビーチームのマスコットキャラクター、なかぴー。
そのなかぴーに縁の深い(子供の夢を壊さないようにします)Yさんの威力を見せつけられた。

彼女は筋金入りの雨女。そして、雨どころか嵐を呼ぶ女である。

釜石で一緒に活動したときも(2回とも)
大阪で一緒に飲んだときも(広島経由で大阪に来たが、土砂崩れが起こるほどの大雨をもたらした)

とにかく、数々の逸話がある雨女だ。

まさかね~。今回は大丈夫でしょ。

そんな甘い考えを持った自分が情けない。

そして・・・彼女の出番がやってきた・・・
さあ、ヒーローショーのはじまりはじまり。
とその瞬間・・・

あ!雨だ!!

せっかく集まってくれた子供たちも慌てて傘をさすが、
雨足はどんどん強くなっていく。

これはまずい。
見ているお客さんも、出演者も、この状況のまま続けることはできない!

「中断する!」

そう判断してアドリブでショーを止めることに。

「 雨がふってきたがぉ~、みんなビルの中に逃げるがぉ~~~~  」

で、通り雨を待とうと思ったら。
やまないし。
土砂降りだし。

もうステージは中止しよう。

舞台監督に言われる。
うーん。

やめたくない。でも、お客さんも帰っちゃって、出演者にも悪い。
でも、ほんとうにいいの?

色んな人に協力してもらってここまできたのに。
みんな練習して今日に備えてくれたのに。

ヒーローショーは、特にアクションをするので、舞台がびしょびしょだと危険。
わかってる。

本人たちに見てもらって決めよう。

で、言われた。
「ちょっと厳しい」

あー、ダメだ。もう終わりだ。

はっきりと意思表示しないまま、エレベーターロビーで座り込んだ。
なにかアイディアないだろうか。
もう本当に手は尽くしたのか。

諦めるなと帆立が言う

復興の狼煙ポスターのキャッチコピーが聞こえてくる。

私の力ではなく、誰かに頼ろう。

実行委員のメンバーでステージについても協力してくれていたKさんに電話。
なんとかならないかしら?
とにかく舞台の上の水を少しでも吸い取りたいの。

うーん。考え込むKさん。

ビルの清掃業者に動いてもらう?すぐ動いてくれるかわからんけどなあ。
ま、もう一度、聞いてみるわ。

そしたらビルが動いてくれた。
水を押しやる大きなワイパーを2つ用意してくれた!

でも、それで本当にマシになるかしら?
出演者の気持ちはどうかしら?

少し雨が小ぶりになり、ゴスペルチームは「歌います」と言ってくれた。
彼らの歌が始まる。
お客さんが雨の中戻ってきて、手拍子して盛り上げてくれる。

その様子を見たとき、思わず9階にある控え室に走り出した。

ヒーローショーのみなさんに呼びかける。

「いま、ヒューマンノートがすごく盛り上がってます!この勢いのままいきませんか?
ワイパーで少しは水をかきだせます。やりましょう!5分で着替えてください!」

なんとまあ無謀な。
誰が責任とるんだ?

お陰さまで無事終了しました。
あのとき、諦めないで良かった。
出演してくださった皆さんも、良かったと言ってくださった。

私のワガママだと思う。
ギリギリ、神様が味方してくれただけだ。

でも、やっぱり、諦めないで良かった。

お陰さまでホタテも完売。
こども食堂も昼頃は子供達が集まってくれて強風の中、よちよちと店員さんしてくれた。

大変な準備だったけれど、この経験はまごころネットメンバーと、その協力者と、遊びに来てくれたお客さんとの
貴重な想い出だ。

このイベントに携わってくださった多くの方にお礼をいいたい。
ありがとうございました。
アスカイザー
明日は多くの方の命日です。
静かに目を閉じたいと思います。3.11

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