アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

気が利く人はユーモアがある!チャレンジできる現場

チャレンジさせてもらえる現場ほど楽しいものはない。

チャレンジ・・・

いや、待てよ。違う!!!!

無茶ぶりされる現場やっ(笑)

今日はラジオCMの収録だった。

「世界記録を更新してください!それは自分自身との闘いです!」

大好きな演出家のユーモアたっぷりの声がけでスタートした。

この言葉の意味を丁寧に説明しよう。

「いつも巻きでお願いしてすみません。この前は世界記録レベルの巻きをしてもらいましたが、今日もあの時と同じくらい、いや、さらに巻きをお願いすることになると思います。世界記録保持者は下間さんなので、自分自身との闘いだということになります。よろしくお願いします」

さきほどのあのひと言で、この意図ぜんぶ伝わるんだから。長年ご一緒しているからこその阿吽の呼吸と言える(笑)

残念ながら新記録は出せなかった。

当たり前や!!!

さて、表題のチャレンジはこのことではない。

巻き読みは単なるテクニックだから。

予定の収録を終え、クライアントチェックが終わるまでのご褒美おやつタイム。

この現場は、いつも上等のおやつが出てくるのだ。

子役の子にも容赦なく、全員でのジャンケンを強いるワタシ(笑)

結局、負けて3番目になったが、食べたかったケーキをゲットすることができた♡

わぁ、つやつや。美味しそう!

いっただきまーーーーす!

と、その時

「すみません下間さん、ちょっとお願いが」

「はい?」

「読んで欲しいものがあるんです」

「かくかくしかじか、、、」

「あははははははははは」

こういうの大好物!

なにかと言うと

クライアントに案として出したCMが却下された。しかし面白いし、こういう内容でもCMとして伝わると思っている。陽の目を見ないのは承知の上で下間さんに手伝ってもらいたい。

CMの掛け合い部分は、若いコピーライターと、その演出家の2人で収録していた。

最後の締めナレを私にとのこと。

ところが!この締めナレの原稿が、、、というか、読み方が、、、

あぁ、書きたいけど書けない!企業秘密だから言えない!

めちゃくちゃあり得ないパターンだったのだ。

「あのぉ、この読み方ではなんも伝わらない気が・・・」

「かくかくしかじか、で、大丈夫です!そんな感じでお願いします」

企画意図だけ伝えると

「では回します(収録します)」

いきなり始まった。

えーーー?よくわからんが、とにかく雰囲気でやってみるしかない。

冒頭の2人の掛け合い部分にはすでに効果音やBGMまで入って仕上がっている。

お蔵入り必至なのに、作り込んでるなぁ。

でも、お陰でそれを聴いているうちに私にインスピレーションが降ってきた・・・

「23文字×4」

私が読んだ。

スタジオのみんなが爆笑している。

「すごい!良いです!なんでもできるなぁ」

そ、そうなん?

どうやらこれで良いらしい(⌒-⌒; )

「では後半の23文字×2はもう少し巻きで」

実はとてもとても難しい原稿で、さっきの初見読みは奇跡的に上手くいっただけで

2回目になると頭がこんがらがってきてトチリまくり。

ただ、どうせ編集してもらえば良いや!とトチッても「あ、ちがう」「あら?」「あーダメだ」などと独り言を言いながら読み続けていたら

「はい!いったん落ち着きましょう。いやぁ、こんな下間さんの姿を見られただけでも僕ら満足です(笑)」

どうよ、このユーモアのある愛のあるコメント。

さすがだわ。

そして、今一度やり直して

「いただきました!ありがとうございます!」

久しぶりのえぐい演出だった(笑)

よくこんな発想するよね。と、心から尊敬した。

陽の目を見ないだろう、この作品、さらにリバーブなど効果を加えて仕上がった。

面白い!これが採用されないなんて勿体無い!

「良いんです。こういう方法でもCMとして成り立つことが証明されました。このパターンのをどこかで使う時には、もちろん下間さんにナレーションお願いしますので!」

チャレンジだ。

そう、いつも彼らは新しい創作のためにチャレンジしている。

私もその現場の一翼を担っていると思うと幸せになる。

昨日も楽しい1日だったが、やっぱりメインはこれ。

この充実感は一度味わうとやめられない。

帰りの新幹線で1人打ち上げ。

好物の升本のお弁当とハイボールで乾杯!

これからもよろしくお願いします。




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