アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

わくらばのふたり〜公開稽古①

「わくらば」という言葉がある。

「偶然」や「まれ」「邂逅」という意味である。

2024年1月14日日曜日に、私と役者のホリベユカリさんの二人で朗読会をするのにあたり

タイトルを「わくらばの流れ」とした。

朗読する本の内容が、この言葉にぴったりだったからだ。

それぞれ朗読する作品には二人の登場人物が出て来て

「運命」という川の流れのなかで出会い、別れていく。

そういう視点で見ると

私とホリベちゃんも、同じく「わくらば」の二人。

どこでどのように知り合い、今、なぜこんなにも親しい間柄になっているのか?

これは本当に不思議な偶然の重なりなのだ。

ナレーターと役者であり、先生と生徒でもある私たち。

詳細は朗読会の当日にお話ししようと思う。

そのホリベちゃんに朗読を教え始めて2年半ほど経つだろうか。

今回、二人で朗読会を開くことを決め

かつ

その稽古過程を大公開することにした。

いつもなら、彼女からレッスン料を受け取り90分間マンツーマン指導をしている。

それを朗読会当日までは無料にし、他の人に「どんなレッスンをしているのか公開する」ことにした。

この公開稽古の観覧席は「応援席」と名付け、期待半分で募集したところ

多くの方が申し込んでくれた。

朗読を趣味にしていたり、生業にしている人には多少なりとも役に立つだろうと思っていたが

これまで朗読には興味がなかったであろう人もけっこういて驚いた。

そういう方にとって、この公開稽古が面白いものなのかどうか?どきどきである。

さて

今夜、その公開稽古の初日。

あくまでも私たちの稽古風景をただただ生中継するものなのだが、原稿はきっと欲しいだろうと思い

リライト済みのものを事前にお渡ししておいた。

あとは好きなスタイルで見て貰えば良い。

少々のご挨拶のあと、さっそく稽古をスタートさせた。

ホリベちゃんの作品は「あったかくなんかない」よしもとばなな作(デッドエンドの想い出より

本来、稽古はお互いに聴き合って意見を言い合うものなのだが

関係性上、ホリベちゃんは私に意見を言いにくいので

今回はホリベちゃんへの私からの指導オンリーである。

実は

この作品はホリベちゃんにピッタリな内容なので、そのまま普通に朗読するのでも問題ない。

しかし、そのままだと30分も聞いていたら眠くなるのがオチである。

朗読は、話がいくら面白くても、単調な喋り方をされたら子守唄になる(笑)

朗読で30分寝かさないのは至難の業。よほど腕がないと無理なのだ。

今日は、場面ごとピックアップして映像化させたり、解釈を考えたり、登場人物のキャラクター設定などを詰めていった。

ホリベちゃんの個性である「さらり」とした読み方に

いかに起伏を加えてイメージを際立たせていくか?

このあたりがポイントだった。

アドバイスしたところをもう一度やり直し

さらにアドバイスしてやり直しする。

これを自分でコントロールできるように、自主練する。

そして次回の稽古でまた違う部分に工夫を加えていくわけだ。

普段二人きりでやっているレッスンを見た人たちは

一体どんな感想を持つのだろうか?

ぜひ聞きたいものだ。

次回は、アドバイスはもらえなくとも、ビフォーアフターを観察してもらえるよう

私も朗読する時間を作ろうかな(笑)

公開稽古はあと3回あります。

ご興味あれば、お好きなタイミングでお申し込みください。

こちらからどうぞ。

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