アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

彼女の御守り

よみうりカルチャー主催のマンツーマンスペシャルボイトレ。
先月初めに開催した30人ほどの方の講座に参加していた人がマンツーマンを申し込んでくれた。

彼女はちょっと障害があって、
コミュニケーションが苦手で困っていた。

鉄道好きだったらしく、新聞で私の講座があるのを見つけてやってきてくれた。
今回、かれこれ3回目だと思うが、初めてマンツーマンレッスンをすることに。

彼女はコミュニケーションが苦手なのに
私のに
「とよちゃんって呼んでいい?」
と言った(笑)

それで、今日も「とよちゃん」と呼び
私も彼女を下の名前で呼んだ。

本を読むのは苦手だと言っていたが、私の本は読んだらしい。
そして、

「時々こわくなるねん。それでお守り持ってる」

と言うので
「お守りって?」と聞くと

恥ずかしそうに

「とよちゃんの本」

と言った。

私は同調しすぎるところがあるので、カウンセラーには向いていない。
でも、自身の特性と付き合いながら、なんとか必死に生きている彼女を
なんとかしてあげたい気持ちに包まれてしまった。

彼女の障害は、難産の影響らしい。
それも理解しているし、孤独から抜け出したいと思っているし
人よりも時間がかかる自分のこともわかっている。
しかし、社会は彼女の特性に厳しい現実があるようだ。

話を聞いてあげて、なんども励ましたけれど
私はずっと面倒を見てあげることはできない。

「友達になってくれへん?」

衝撃的なお願いをされて、困ってしまったが

「それはできないの」

と、断った。

彼女はスマホも持っていなくて
私の声を聞くために、たまに阪急電車で遠回りして帰るそうだ。

「とよちゃんに会うから、これ持ってきたわ」

と言ってプレゼントしてくれた。

画像

女の子らしい、いちごのお菓子の詰め合わせ。

「どんなときが楽しい?」

と聞いたら

「1人のときかな。1人のときは楽やわ」

私にはなんの力もないけれど
私の本が彼女の支えになっているのなら
こんなに嬉しいことはない。

私の缶バッジをみっつプレゼントした。
これからは、このバッジもお守りにしてくれるといいな。

 

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