アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

お洒落さん

紫のタートルに、ラメ入りで白と黒のストライプのニットカーディガンを羽織っている。

おかっぱの髪は既に真っ白で少なくなってはいるけれど
ちゃんとお化粧もして、ネイルもしてて。

独り暮らししてる80半ばの叔母が骨折して入院。
お見舞いに行ったらとても元気そうで
でも

「みんなに迷惑かけていややわぁー」

と嘆く。
幸い週末には退院できるのだが、帰ってからが問題。

叔母さんは重度の認知症なのだ…。

今日は驚くほど普通で、会話も成立。

ガスは怖いから、電磁調理器にしない?

「そう、そうなのよ。ありがとう、あんた用意してくれるの?そうして」

叔母さんはね、たまに頭がややこしくなるみたい。自分でわかる?

「そりゃ歳だもの。」

叔母さんは自分でわからないうちに様子がおかしくなるわけよ。
それ、とても心配でしょ。

「そうなのね…おじいちゃんもそうだったものね」

と、スムーズにやり取りしているかと思ったら
次の瞬間、もう支離滅裂になっている。

はぁ…困ったなぁ…。

話したことを紙に書いて、テーブルにベタベタ貼り付ける。

ダメ元で持参したココナッツオイルをミルクティーに混ぜて飲ませた。
美味しいわー
と喜んで飲んでくれたけど…
飲み方も大きく書いて瓶に貼ってみたけど…

これもぜんぶ忘れてしまうのかなぁ。

高校に入ると同時に母親、姉と離れて1人で京都へ来た。
そして叔母と寝たきりの祖母の元で1年弱暮らした。

ほんとに口うるさくて、辟易していた。

掃除、洗濯、洗い物は自分で。
でも、御飯とお弁当は叔母さんがやってくれた。

お洒落で、叔母さんのセンスを見習った。

母が京都に来てみんなで暮らしだすと
叔母さんと母のソリが合わず、
いつも母に対してキツい叔母さんの物言いに、ムカムカした。

とまあ、いろいろあった叔母さんだけど…
離れて暮らしてからは仲良くなって
お家に招かれて手料理をふるまってもらったり
外でご馳走になったり。

想いはいっぱいある。

かといって、引き取る覚悟は無し。

これからどうなるんだろなぁ…

好きなものだけ

今夜はいつもお世話になってる人の
少し早い誕生日祝いのディナーでした。
いつもありがとうございます☆

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