憎まれ口の優しいおじさま
もう何年のお付き合いかしら。
ちょっと初対面では愛想無かった記憶が。
でも、しょっちゅうご一緒するうちに
いつも悪戯っぽい眼差しで、でも私を信頼してくれて
仕事の声をかけてくれたり、
四方山話をしたり。
いつも車だし、
お酒を控えていたこともあって、仕事帰りの一杯…はなかなか実現せず。
でも、私がうっかりBARを始めると
一度絶対行くからねーと言って、
お知り合い連れて来てくださった。
「毎日店やってもええんちゃいますぅー?ニヤニヤ」
「あれ、すごいですねー、女優さんですやん。ニヤニヤ」
優しくて、うっかり屋で、耳が良くて、
私も頼りにしてました。
昨日飛び込んで来た訃報。
知らなかった。癌だったんですね。
あの狭くて、ごちゃごちゃしたスタジオに
もう行くこと無いのか…。
あそこにはもう誰もいないのか…。
あのスタジオに主がいない。
ぽっかりと、しんとした空間だけが残されてると思うと、寂しい。
宮井さん。
ありがとうございました。
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