足の中指と龍馬祭
仕事に遅刻しそうだった。
急いで着替えて靴下を履いたら
あ!
右足の中指がニョキッと顔を出した。
穴ぼこあいた!!!
でも、違う靴下を取りに行ってる時間も惜しい。
まぁ、座敷に上がる予定も無いし、、、このまま行こう。
しかし、仕事の間じゅう
靴の中で顔を出している中指の存在感は半端ない。
き、気になる。
さて、こんなにバタバタしたのには訳がある。
今日は京都の霊山歴史館で龍馬祭の講演会にゲスト出演。
副館長の執筆したエッセイを朗読しに行った。
せっかくなので和装することにして
車で朝から実家へ向かい
お母さんに着せてもらった。
久しぶりに袖を通す大島紬。
母に買ってもらったお気に入りの着物だ。
これを着ると二割り増しで朗読が上手く聞こえるのだ(笑)
霊山歴史館に行くと
みなさん
「あれ!着物ですね!」
なんとなく喜んでくれて嬉しい。
そして、いざ開演。
先生の講演は面白い。
すぐ話が脱線するのだが、その小ネタが笑える。
そんな先生の話ぶりがそのまま活字になったのが
「幕末競艶録」
サブタイトルが「志士と女たち」
おいおい。なんかタイトルからしてやばそうだ。
ゴルフ雑誌に連載していたものを本にしただけあって
おじさま方が喜ぶ内容である。
それを私に朗読させようっていうんだから
先生もかなりお好きだ。
根が真面目な私は、この手の内容をどう朗読しようか?
それなりに悩んだ。
低音の声で、なんとなく迫力持って読めばそれなりに聞こえる時代小説とはまるで違う。
しかも、下ネタも入るし
先生の脱線ネタもちょいちょい入る。
うむむむ。
で、自分なりに仕上げて臨んだ本番。
果たして、、、、
自己評価はできないが
先生はじめ、ご来場のお客様が、帰り際に
「面白かった」
と声をかけてくださった。
そう。先生の文章は面白い。
それをそのまま楽しく聞いてもらえるかどうか?
これが課題だったのだ。
笑ってもらえるところもそれなりにあったし
まぁ、この手の内容にしては上出来だったのかな?
いや
よくよく考えてみると
かなりすごいことではないかと思う。
女のナレーターが朗読する内容じゃないって!(笑)
それを努めて爽やかに語ったと思うのだが
真の評価はわからない。
無事、朗読の任務を遂行し
急ぎ大阪へ向かう。
秋の京都はすごい人!すごい車!
だんだん次の仕事までの時間がなくなってくる。
着物を着替える暇もないかも?
そして、、、
穴ぼこ事件と相成るのだ。
幸い仕事には間に合った。
そして、中指を気にしつつ帰宅。
靴を脱いで、ふと気付いた。
あ。
中指じゃないわ。
人差し指だ。
足の指というのは
手の指と随分役割が違うのよね?
コメントを書く