もぐらにて復活
一度だけ、庭で、もぐらを見たことがある。
土から出て干からびていた(⌒-⌒; )
鎌倉に住んでいた頃のことだ。
今夜は仕事のあと飲み友と「もぐら」に集合した。
「おーーー、下間さんや!」
店に入ると、マスターが笑顔で迎えてくれた。
以前、ここで出会い、カウンターで色々話をしたことのある常連の女性も来ていた。
「わ、久しぶりですね」
なにしろコロナ禍でお店が休みになっていたり、今夜の飲み友も色々あって
長らくご無沙汰してしまっていたのだ。
なぜ「もぐら」と名付けたのかわからないが、ちょっとした隠れ家が、もぐらっぽいのかもしれない。
マスターの顔がもぐらに似てるからかな?
さて
「色々あった」
という彼は、我が家のめちゃくちゃご近所さんで、定期的に飲みに行く男友達の1人。
しかし、なんだかんだあって、会うのは9ヶ月ぶりくらいのことだった。
席に座ると、私は言った。
「復活おめでとう」
マスターも
「ほんまに。良かったわ」
と言った。
「ありがとう。最近ようやく少し飲みに行くようになったわ」
彼になにがあったのか?
実は去年7月末にバイク事故を起こし2ヶ月以上入院することになったのだ。
のちに事故車の写真を見せてもらったが、
「ひぇー」
と叫ぶほどバキッとふたつに折れていた(・_・;
毎年やっている私の生誕祭で飲み友たちとパーティーした翌週のことだったそうで
私が、彼の入院を知ったのは8月の終わりくらいだった。
追突事故だったが、追突した相手は、幸い大事にいたらず
彼も半身不随になることなく、治療とリバビリを経て、なんとか社会復帰した。
こうして久しぶりに「もぐら」で飲めるのが感慨深かった。
改めて事故の話を聞いて、ゾッとしたが
なにより、仲間が1人減らなくて本当に良かった。
「そういえば、あの人も生きてるかしら。LINEしてみよう」
飲んでる途中で思い出し、仲間の1人にLINEした。
バイク事故の件を知ったちょうど同じ頃、同じく生誕祭に参加していた仲間の1人が癌であることがわかった。
かたや事故、かたや癌。
なんてこと!
と、ショックだった。
LINEしてまもなく、電話がかかってきた。
「もしもし、下間ちゃん?生きてるわよー。Iさん復活したんやね」
元気そうだ。良かった(T . T)
こちらも、一時はどうなるかと思ったほど激痩せし、髪の毛も抜けたが
癌の種類的に、定期的な治療でなんとか命は大丈夫だそう。
「6月末にタイに行くから、今年の生誕祭は7月の2週目以降にしてね」
生き生きとした声である。
ああ、本当に良かった。
年齢を重ねるとなんだかんだあるが、毎年の恒例イベントとなっている私の生誕祭は
ある意味みんなの生存確認の機会。
あと3ヶ月。
今年も無事に集まれますように。
もぐらにて
干からびることなく再会できた今夜。
命の大切さを感じ、エネルギーの交換ができたことに感謝。
もぐらを出るとコンビニに寄りアイスを買った。
ご近所ならでは(笑)学生か!?
アイスを食べながら分かれ道まで歩く。
私たちのいつものコースだ。
「じゃ、またね。」
「またね」
おやすみ。
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