ロックバンド「おかん」最後の日
かれこれ10年くらい前
私は長年お世話になっている美容師のDAIさんに色々と聞かされていた。
大嶋啓介って人の話
ロックバンド「おかん」の話。
正直、その頃は興味がわかなかった。
「ふーん」という感じ。
ところが、去年の秋に、香取貴信さんのお誘いで福井ツアーに参加したことで
急速に大嶋啓介さんと親しくなり
さらに、今年初めにAGEMANフェスティバルに参加して、
ロックバンド「おかん」を知った。
いや、というか、思い出した。
DAIさんが前に推してたバンドやん。そう言えばボーカルは同じ名前、ダイちゃんだったっけ。
へー。けっこう歌上手いんだね。アトピーなんだ、大変そうだなぁ。
ボーカルの大ちゃんは重症のアトピー性皮膚炎だった。
あれから数ヶ月。
今日はそのロックバンド「おかん」のドキュメンタリー映画の上映会。
まさみっちゃんからチケットをいただき、みなさんと共にミナミまで。
司会はてんつくマン。てんつくマンのことも、美容師のDAIさんからかつて聞かされていて、AGEMANフェスティバルのとき、初めてリアルで会った。
大嶋啓介さん、てんつくマン、ロックバンドおかん
みんな、かつて美容師DAIさんの推しだった。
さて、ロックバンド「おかん 」は14歳のときに同級生同士で始めたバンドだったそうな。
それから22年間、紆余曲折ありメンバーも入れ替わりつつも、大阪城ホールでの単独LIVEを実現させるなど、インディーズのバンドとしては異例の実績を築いてきた。
歳を重ねるにつれて、エレキギターからアコースティックギターに変わり
届ける歌のメッセージも変わって行った。
人生とは?出会いとは?生きるとは?
ダイちゃんの歌声が全国津々浦々、老若男女の心を震わせ
次第にファン同士が手を繋ぐかのように広がって行ったらしいのが映画の記録でよくわかる。
なるほど、その1人が美容師のDAIさんだったんだね。
そっか、おかんってこんなバンドだったんだ。
3時間にも及ぶドキュメンタリー映画を観て、感動というより
彼らがストイックなまでにやってきた音楽活動に唸るしかなかった。
ダイちゃんは昔はアトピーじゃなかったことも知った。お肌ツルツルだった。
過度のストレス、体を酷使した仕事とバンド活動の両立により
悲鳴をあげ、以来、治っていないようだ。
そんなになるまで、なにしてるんだ。
なぜ誰も止めなかったんだ。モヤモヤした。
しかし、彼はやると決めたらとことんまでやるし、バンドメンバーもそれに付き合ってきたのだ。
だからこそ、大阪城ホールでのLIVEを成功させ、アジアツアーもできたのはわかる。
彼らはインディーズバンドだから、ファンを作る方法は路上LIVEしかなかった。
目標を決めたら、その日まで毎日路上LIVEをやる。それしか方法はなく、1日何度も、あちらこちらで路上LIVEをして認知度を高めた。
めちゃくちゃ地味な方法。
今の時代、TikTokなどでどんどん拡散してもらえるが当時は違った。
リアルの口コミとYouTubeなどでの配信。
あまりにもストイックな彼らの手法は、かなりのM気質だと言える。
今日の上映会も、全くチケットが売れておらず、ここ1週間、慌ててあちらこちらのSNSにゲスト出演し呼びかけたらしい。
それでも満席には至らないとなると
昨日から24時間路上LIVEをやって、一睡もせずに上映会突入。
ヤバすぎる。
ロックバンド「おかん」は、7年前に休眠。
それぞれの音楽活動の道へ歩み出した。
しかし、ダイちゃんは、自ら休眠させたにも関わらず、どこか納得が行っていなかったようだ。
そして、14歳の頃のビデオはじめ、これまでの記録を見つめ直し、今の思いを撮影し、22年の軌跡を映画にしたのだった。
そして、今日、この上映会をもって、本当の本当の休眠とさせる
と決めたそうだ。
上映後、最後の「おかん」の演奏があった。
ダイちゃんだけの歌声は聴いたことがあったが
これがロックバンド「おかん」なのか、と改めて聴き入った。
誰1人取り残したく無い。みな手を繋ごう。
隣の席の人と手を繋いで、歌声を合わせる。
ダイちゃんお疲れ様。
ロックバンド「おかん」のみんな、お疲れ様。
彼らはまだ若い。
これからまだまだ活躍できるから
22年間を宝物にして、どうか人生を楽しんで、音楽を楽しんで、自由に生きてほしい。
最後の最後に立ち会えてよかった。
まさみっちゃんチケットthank you!
美容師のDAIさんに、今日の動画をたくさん送った、まるで親のように感謝のメッセージが返ってきた。
彼は昨日の路上LIVEに応援に行っていたそうな。さすがです。
長年の応援活動もお疲れ様でした。
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