アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

4人目

数日前、学生時代からの友達からSOSが入った。

悲痛な叫びだった。

とにかく会って話を聞いてあげないと。

おおかたの予想はつく問題であったが、少しでも早くガス抜きをしなくてはならない。

なんとか今日、時間を作れたので事情を聞くことにした。

いつもなら面白い話をして私を笑わせてばかりいるのに、今日は何度となく涙を浮かべながら話す彼女。胸が痛む。

ご家族の問題なので私には立ち入れないと思ったものの、彼女の希望もあり、事情を聞いた上で、その後お宅にお邪魔することになった。

三人家族。とても仲が良くて、昔から私のことも応援してくれていて、うっかりBAR に父親と娘で来たお客さんは後にも先にも彼女とパパだけ(笑)

そんな仲良し家族の危機。他人の私が口を出して良いのか?とも思ったが、今頼れる他人は私だけらしいと、覚悟を決めた。

「巻き込んでごめんね、ごめんね」

家族三人同じ言葉を繰り返す。

私はというと、とにかく大事な友達のために動いただけだと伝えた。

私の失敗だらけ災難だらけの人生も、少しは誰かの役に立つかもしれないから。。。

今日のところは聞き役に徹し、今やれることの提案をして帰って来た。

気休めにしかならないだろうけど、なんとか乗り切ってほしい。

帰りの電車。目の前の窓がオレンジに輝いた。

思わず背後を振り向くと、大きな大きな太陽が西に沈もうとしていた。

太陽は、また明日になれば私たちを優しく強く包んでくれる。安心して、今夜はみんなゆっくり休めますように。

早くこの困難から抜け出せますように。

私も4人目として支えるよ。

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