アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

1年の想い

息が苦しくなるほどの強い想い、深い想いを共有して
なんとかしたいと思うのだけれど

久しぶりに自分のちっぽけさを改めて感じてしまう。

青森県八戸で被災して大阪に避難してきた書描家の方に
3.11のイベントで、タイトルの看板に描いていただこうということになり
ステージ担当を受け持っている私と社会福祉協議会の方と3人で打ち合わせした。

伊藤さん

たっぷり3時間半。
彼のお話を聞きながら、本当に苦しくなったり切なくなったり励ましたくなったり・・・

伊藤伯(いとうつかさ) 雅号 日吉丸
昭和47年 八戸生まれ

小さいころから書道にいそしみ、厳しい母親の指導を受けながら「遊び」のある書を覚える。

18歳で東京に出て、我流書描家として仕事を得るように。
しかし平成18年に父親が亡くなり、八戸へ帰郷。

その後、八戸を拠点にして個展を開催するなど活躍。
新聞などのメディアにも取り上げられて順調だったという。

しかし、昨年の東日本大震災で自宅内部が半壊。
書と向き合うことができなくなる。
そこで、書描家としての道を今一度取り戻し、さらに飛躍しようと5月に大阪へ避難。新生活をスタートさせた。

しかし、厳しい現実は容赦なく、日々の食事にも困る毎日で、
市営住宅にようやく8月に入るもじり貧生活が続いた。
そんな折、八戸に残っていた母親が心労で他界。

母親に恩返ししたいとの思いで、今もアルバイトをしながら作品に取り組んでいる。

伊藤さん

怒涛の一年だった。
180度自分の生活が変わってしまったが、たとえ雑草のような自分でも、
ただただ目の前の夢に向かって生きていることを書を通して伝えられたら。。。

そんな想いをこめて描きたいと言った。

彼の作品のひとつ。震災前のもの。

日吉丸

少しでも良い形で、描いてもらえるように、その準備を私はどうすればいいのだろうか。

筆、和紙、墨、額
誰か提供してくれんかね?

そして描き上げた作品を、誰かが大切にずっと飾ってくれないかね?

なんか良い知恵ないかしら?

必死のまなざしの彼を前に

「私、お金もなにもないけれど、行動力だけはあるんです(笑)」

こんなことしか言えない自分が残念だ。
どうにか彼の想いを実現させてあげたいなあ。。。

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