アルトの世界

ナレーションと語り*

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裏声日記

義理人情

昨日、知り合いのディレクターさんから、ディナー代程度のギャラで4本の動画のナレーションを依頼された。

というか、できないか?と聞かれた。

あり得ない金額で頼まれたわけである(笑)

私は冗談まじりで、ディナーって、新地の高級寿司レベルですか?と答えた。

いや、いつもお世話になっている間柄ならば、時にはこんな無理な相談も構わないと思う。

しかし、お知り合いとはいえ、この方との親交のレベルは浅く、こちらとしては恩も感じていないのだ。

過去、その方が困っているときに値引き額でご協力したことはあるし、去年のその方の誕生日には、たまたまお会いするタイミングになったためちゃんとプレゼントもご用意した。私は別にもらっていないが。

で、それが1年以上前のことで、以来会ってもいない。

私はそこそこ義理人情に固い。なので、いただいたご恩は精一杯返したい。

だから、今回の話に1番引っかかったのは、値段の話ではなく

よくまぁ私にそんな打診できるなぁ?

というところなのだ。

さて、話は変わり、、、今日。

別のプロデューサーから私の仕事ではなく

「顔出しMCできる人を紹介してほしい」

と頼まれた。

20分以上電話で話を聞き、お勧めできそうな人を考え、かなり忙しい仕事の合間に4名の知り合いに連絡してスケジュール確認や条件提示などの詳細を詰めた。

私にとっては無償ではあるが、その4名とも親しく、実力もあり、かつ仕事の縁を必要としている。そしてプロデューサーも困っている。

そのプロデューサーと私はと言うと持ちつ持たれつの間柄。

現状、どちらかというと私の方がお世話になっている立場なので、日頃からなにかお礼がしたいと思い、旅に行けばお土産を買って渡すとか、仕事を頼まれたときにも多少の無理を聞いたりと、お返ししている。

だから、今回のような時には少しでも早く、良い人材をご紹介したいと思う。

そういう訳で、、、、

最初のディレクターの感覚にはついていけなかった。

「下間さんレベルに頼んだらあかんかったよな。親しき仲にも礼儀ありやった」

そんな返事がきたとき、あー伝わらないな、とがっかりした。

私が遠回しに、そんな格安で引き受ける「義理」がない。

とお伝えしていることにも気付かず、単に値段が合わないから断られていると思ったようだ。

「親しき仲」

そうだっけ?

もちろん本当に困っている雰囲気ならば多少助けようとしたかもしれない。

または

安いけど、なんとかあなたのナレーションが欲しい。

とでも言われたら考えたかも。

あー。

改めて私の好きな人、嫌いな人。はっきりしてる。

律儀な人。恩を忘れない人こそ信頼できる。

頼むだけ頼んでおいて、いつか返すと言ってそのままとか。

食事に行こうと言っておいてそのままとか、嫌い!

古臭いかもしれないけれど、私は家族も友達も仲間も仕事関係も、みんな義理人情の世界で大切にしているつもり。

お互い「ありがとう」と言える関係。

あまりに対照的な2人の方との昨日と今日のやりとりに、ついつい熱く書き綴ってしまった(笑)

最後に同じような話を追記。

局で向かいに座ってお仕事している女性が、お土産をくれた。

「いつもおやつをいただいているので、皆さんでどうぞ」

これこれ。

ぜんぜん期待なんてしていないけれど、やはり嬉しいじゃない?

仕事ですごくお世話になってる間柄ではなくても、向かいにいらっしゃるし、声の大きな私たちナレーターかご迷惑かけてるだろうし、と、お土産のお裾分けなどをしている。

コミュニケーションは持ちつ持たれつの絶妙なバランスが必要だと思う。

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