卒業のとき
ABCテレビ「キャスト」のナレーションは、ニュースと、その日のメインの問題、特集、芸能コーナーなどがあり
コロナ問題が始まってからは、たいていコロナの長いVTRのナレーションを頼まれる。
今日、出勤すると、コロナ以外のもうひとつ「消えた年金」問題の特集のようなVTRのナレーションを頼まれた。
あれ?これもわたし?
「はい、15分後に録りますんで」
A本さんに言われた。
もうひとつ短いVTRとアバンが相方のナレーターさん担当となったので、なるほど、と理解した。
で、下読みしていて「あ!」と思った。
この消えた年金問題の話は、A本さんが以前取材したニュースで、続報だったのだ。
要するに、彼の記者としての大切な案件とでも言うべき。
「録音しまーす。」
呼びに来てくれて彼が言った。
「僕の卒業作品みたいなもんです」
うん、そうだね。このタイミングでこんな展開になったなんて。ある意味丁度良かったね。
簡単に言うと
かつて問題となった消えた年金問題で発覚し、年金を取り戻すことができたお婆さん。ところが1年前、突然「あれは間違いだったから返金してくれ」という連絡があった。そして、コロナ真っ只中の4月28日に、とうとうその通達決定を一方的に送りつけてきた
というもの。
A本さんが継続取材していたのだった。
私はこのA本さんの必死感がなんとなく好きだった。文章の間違いが多くて困る面もあるのだが、熱い取材をやってきた現場人間なのがわかる。
その彼が7月に移動することになった。
なので、話は元に戻るが
「僕の卒業作品みたいなもんです」
という言葉を聞いて、すごく寂しく、ちゃんと読まなきゃな、と思った。
生憎、声の調子が悪くて結果的にはイマイチなナレーションになったが(笑)
オンエアでは、A本さん自身がスタジオで顔出しし、この問題について説明していた。
相方ナレーターと私は、それをテレビで見ながら
「A本さんて、ゴリ顔やな」
と、笑い、テロップのプロフィールを見て
「えーーーそうなん?フランス支局?!イメージ違う」
と、失礼な発言をして楽しんだ。
まだあと2回、ご一緒するのだとは思うが、コロナで送別会もできないので、もう少し合間に話して、A本情報を仕入れてみよう。
って、どんだけ興味あるねん(笑)←あ、あくまでも人間として、の話
さて、仕事終わりで俳句の先生に電話。
18時から始まっている句会の進行具合によっては合流しようかなー、どーしよーかなーと悩んでいたのだが
「京町さん、今日トップだよ」
という言葉を聞いて
今すぐ行くわ!!!(笑)
この句会では初のトップ。
タクダッシュした。
めでたい奇跡のトップ。ということで、泡で乾杯し、すっかりご馳走になってしまった(笑)
特選句はこれ。
虫干しや正倉院展中止です 京町
「プロのレベルの俳句だったよ」先生評
そのほか
新しき日常茄子は反り返る
木蝋の炎揺らして虹渡る
臨終の目は見開きて蛍消ゆ
会う理由を作りてすもも熟れてをり
もう一度作り直す必要のある句もあるけれど、合計点でもトップ。
あざーす。奇跡!
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